『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』

Oct 13, 2011 / Topics

Tags: book

Text:Sawako Akune

『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』 伊藤潤二(講談社)680円 amazon.co.jp

猫と犬、どちらかと聞かれれば犬派。主人になついて忠実な犬のほうが好き、と心の奥底で考えていたホラーマンガ家の作者。大の猫派なパートナー・A子の強烈な“推し”で彼らの家に2匹の猫がやってくる。ヘン顔の「よん」と人なつこい子猫の「むー」をむかえ、七転八倒の日々が綴られていく。猫たちが眠るときに自分ではなくA子のベッドにばかり行ってしまうことに嫉妬して深夜自分のベッドにエサを撒いたり(食べるだけ食べて結局はA子のベッドに戻って眠る)、猫じゃらしに初挑戦してみたり(猫たちにまったく相手にされず一人で熾烈な踊りを繰り広げただけ)。マイペースな猫たちに踊らされ、しかもそれが心地よくなっていくさまが爆笑を誘う。猫マンガにありがちなゆるい絵柄ではなく、作者ならではの劇画調のタッチがギャグ満開なストーリーに妙にフィット。何度でも読んで何度でも笑える猫マンガだ。
追伸:何があっても電車の中では読まないように。笑いが止まらず変人確定。