「眠る盃」向田邦子

Dec 21, 2012 / Topics

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“「なぜ猫を飼うのですか」とよく聞かれる。これは「なぜ結婚しないのですか」という質問同様、正確に答えるのはむつかしい。実は、私自身、理由が判らないからである。「ただ何となく」そして、猫には何故か縁があったが、人間の男には、何故か縁が薄かった、ということなのだろう。”

新聞や雑誌に掲載されたエッセイをまとめた、向田邦子による随筆集です。父が名付けたシャム猫の伽俚伽、タイで出会ったコラットと呼ばれるブルーグレイの猫、マミオとチッキイの3匹が登場。猫取材にはしゃいだかと思えば、勝負服の回では猫のための服の扱い方を指南。また、はじめて出会った本が夏目漱石の「吾輩は猫である」だったというエピソードも。人は、なぜ猫を飼うのか。答えは出ないけれど、著者には猫が必要だったということは伝わってきます。