「猫のいる日々」大佛次郎

Sep 28, 2012 / Topics

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「猫のいる日々」大佛次郎(徳間文庫)amazon.co.jp

”猫は僕の趣味ではない。いつの間にか生活になくてはならない優しい伴侶になっているのだ”

作家、大佛次郎が新聞や週刊誌などに掲載していた、猫にまつわるエピソードを集めた随筆集。猫をテーマにした小説や童話なども掲載されており、まるごと猫ずくしの一冊です。常に10匹以上もの猫たちと暮らしていた著者は、自宅に捨てにくる人へのやりとりに閉口しつつも、結局は飼うことにしてしまったりと、猫への溺愛ぶりはお見事。結果、500匹以上もの猫たちと暮らしたといいます。また、猫好きで知られる画家、猪熊弦一郎との猫話も掲載。なかでも気になるのが、東京歌舞伎座の公演を見に行った際、突如、舞台にホンモノの猫が登場したというお話。昭和30年代の出来事とはいえ、著者は何度か舞台上にまぎれこんだ猫を見たことがあるというから驚きです。現在ではなかなか考えられませんが、”舞台に猫が出たら自分に好いことがあると思いなさい” とのこと。一度でいいから、経験してみたいものです。