「なぜ、猫とつきあうのか」吉本隆明

Oct 12, 2012 / Topics

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「なぜ、猫とつきあうのか」吉本隆明(河出文庫)amaozn.co.jp

”あんまり人間関係がぎくしゃくしてて、みんな孤独になっているとか、おもしろくない、どっかに不安とか不満とかっていうのが増大しつつあるというようなことがあって、猫っていうのは、それに対してちょうど、人間関係がいやになったというようなときにはものすごくいい親密な関係で、向こうは文句を言うわけじゃないですし、またこっちがかわいがればそれに応じるみたいなことがありますからね”

幼い頃から猫が家に居ついていたという思想家 ・詩人・評論家の吉本隆明によるエッセイです。夏目漱石の「吾輩は猫である」を例に、擬人化した猫についての考察や、人間と猫との共生の仕方について書かれた読み応えのある1冊。知人から「猫も自殺する」という話を聞いた吉本氏の”猫の死”についての鋭い視点は、動物学者とは異なる新たな猫との関わり方を教えてくれます。巻末の吉本ばななによるエッセイも必読です。