「猫だましい」河合隼雄

Aug 24, 2012 / Topics

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「猫だましい」河合隼雄(新潮社)amazon.co.jp

臨床心理学者である河合隼雄が、猫と“たましい”をテーマに執筆した、「新潮」での連載をまとめた一冊。フランスの昔話「長靴をはいた猫」や、大人から子どもにまで愛される絵本「100万回生きたねこ」、谷崎潤一郎の「猫と庄造と二人のおんな」、マンガ「綿の国星」といった、猫が登場する名作をとりあげ、そこから猫と人間の関係性を探っています。

著者は、自分はさほど猫好きではないといいつつも、“猫好きな人は、猫を愛撫するときに特別なよろこびを感じる人が多いだろう。 〜 猫の一番喜ぶ、頸(くび)のあたりを撫ぜてやると、猫はいかにも気持ちよさそうな顔をして「ゴロゴロ」と喉を鳴らす。そのうちに、人が猫を撫ぜているのか、猫が人間を愛撫してくれているのかわからないような状態になってきて、二人だけの世界のなかに溶け込んでしまうようになる” と、猫に魅了される体験を語っています。

巻末に掲載されている、「綿の国星」の作者 ・大島弓子さんマンガレビューも必見。なぜ、猫の“たましい”が、犬やほかの動物と異なり、特別なモノなのか。この本を読めば理解できるはずです。