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「ねこのシジミ」和田誠(ほるぷ出版)amazon.co.jp
イラストレーターの和田誠さんによる、猫絵本です。小さく丸まっていると「貝のシジミ」にみえるから、という理由で名付けられた猫が登場。公園に捨てられていた猫を拾った男の子が、家族とともにシジミを育てていく、ほのぼのとしたストーリーです。やんちゃに遊ぶ姿やふかふかのドレスにまるまって眠る姿など、さまざまな猫の表情を、繊細な銅版画で描いています。和田誠さんといえば、週刊文集の表紙に描かれたひょうひょうとした猫の絵も話題に。こちらも要チェックです。
ディズニー映画「ふしぎの国のアリス」amazon.co.jp
ルイス・キャロルの小説『不思議の国のアリス』を原作に、ウォルト・ディズニーがアニメ化した作品です。主人公のアリスは、子猫のダイナと退屈な昼下がりを過ごしていた際、時計を持った白うさぎに遭遇。彼の後を追って穴に落ち、そこから不思議の国への旅がスタートします。唄をうたう花や、”誕生日じゃない日”をお祝いするティーパーティ、ハートの女王様&トランプ兵など、摩訶不思議なキャラクターが登場。なかでもilove.catが注目するのは、かの有名な紫とピンクのしま模様をしたチェシャ猫です。いたずらが大好きで魔法を使い、顔だけ残したまま突然消えたりと、アリスを混乱させます。ニャンとしか言わない、子猫のダイナとの描き方も対照的。ユーモアあふれるキャラクターのしま模様のチェシャ猫に注目して、ふたたび見返してはいかが。
「猫のいる日々」大佛次郎(徳間文庫)amazon.co.jp
”猫は僕の趣味ではない。いつの間にか生活になくてはならない優しい伴侶になっているのだ”
作家、大佛次郎が新聞や週刊誌などに掲載していた、猫にまつわるエピソードを集めた随筆集。猫をテーマにした小説や童話なども掲載されており、まるごと猫ずくしの一冊です。常に10匹以上もの猫たちと暮らしていた著者は、自宅に捨てにくる人へのやりとりに閉口しつつも、結局は飼うことにしてしまったりと、猫への溺愛ぶりはお見事。結果、500匹以上もの猫たちと暮らしたといいます。また、猫好きで知られる画家、猪熊弦一郎との猫話も掲載。なかでも気になるのが、東京歌舞伎座の公演を見に行った際、突如、舞台にホンモノの猫が登場したというお話。昭和30年代の出来事とはいえ、著者は何度か舞台上にまぎれこんだ猫を見たことがあるというから驚きです。現在ではなかなか考えられませんが、”舞台に猫が出たら自分に好いことがあると思いなさい” とのこと。一度でいいから、経験してみたいものです。
漫画「動物のお医者さん」佐々木倫子(白泉社文庫)amazon.co.jp
札幌市にある、H大学獣医学部を舞台にした物語です。獣医を目指す主人公”ハムテル”こと、西根公輝を中心に、獣医学部の名物(?)漆原教授やマイペースな菱沼先輩、同級生の二階堂昭夫らが繰り広げる学生生活を描いています。また、獣医学部の動物たちはもちろん、ハムテルが飼っている般若顔のハスキー犬チョビや凶暴な雄鶏ヒヨちゃんなど、たくさんの動物が登場します。なかでも、ilove.catが注目するのは、ハムテルの祖母の愛猫ミケ。なぜか関西弁を話すミケは、スズメやネズミなどの狩りが大好き。幼いチョビに対して冷たく接しつつも狩りや遊び方のしつけをしたり、また野良猫の親子にご飯をわけてやるなど、面倒見のよい一面もあり。ぜひ、ミケのエピソードに注目して再読をおすすめします。
猫語翻訳機「ミャウリンガル」タカラトミー amazon.co.jp
猫好きならだれしも「猫のコトバがわかればいいのに!」と思った経験があるはず。そんな愛猫家のために開発されたのが、猫の考えている事を翻訳してくれるという「ミャウリンガル」。音声翻訳はもちろん、しぐさの翻訳、健康チェック、はたまた猫占いまで、盛りだくさんの機能がついた夢のような逸品です。キュートなフォルムはもちろん、黒猫白猫、そして三毛柄などバリエーションも豊富。とはいえ、2003年に発売してからすでに廃盤になっているようなので、興味のある方はデットストック(中古品)を探してみては。
絵本「しろねこくろねこ」きくちちき(学研教育出版)amazon.co.jp
“しろねこは くろねこの くろい けが すきでした”
“くろねこは しろねこの しろい けが すきでした”
いつも一緒にいる2匹の猫が、お互いの違いを認め合うことで成長していく姿を描いた絵本。著者のきくちさん曰く、近所を歩いているとき、たまたま黒猫を見たらピーンときて、黒猫の絵本を描くことにしたといいます。
「なかなか気に入ったものが描けないので、何枚も何枚も嫌になるほど描き直しています。ただ黒猫は黒く塗りつぶして描くので、その際に多少の修正がきいて若干描きやすいかもしれません。また今回の話は、色によって展開していく話だったので、なるべく単純な色で身近に感じられるものを選びました。思いもよらない色に出くわすのを期待して試行錯誤したいから、色に対するこだわりは持たないようにしてます。これは色に限らず線を描くときや構図を決めるときなど、どんなときもそうですね」
実はこの本、きくちさんが1点1点手製本で制作した絵本がもとになっているとか。デザインはアートディレクターの菊地敦己さんが担当しています。
「一度自分で手製本して完成させた作品だったので、出版する際には全く新しくしたかったんです。デザインを担当してくださった菊地敦己さんは、以前にも仕事を見る機会も色々あったので、お任せした方が絶対いいものができると確信していました。結果、自分には勿体ないくらい素晴らしい絵本に仕上げていただきました」
絵本を作る際は、気に入るまで何度でも、しつこいくらい(!)描き直すというきくちさん。本書には猫だけでなくバッタやカエルなど、さまざまな生き物も登場します。
「生き物を描く時は、いつも想像で描いています。見て描くよりも想像膨らませて描く方が生き生きしたものが描けるんです。これが一番楽しいというのはないのですが、なぜかカエルを描くときが一番すんなり、簡単に描けてしまいます。それが嬉しくてついついカエルを登場させてしまいます」
ページをめくるたびに飛び込んでくる生き物たちと、美しい色彩が織りなす、まるで絵画のような絵本です。
映画「キャットピープル」amazon.co.jp
”キャット”といいながら、変身するのは黒豹。1942年に制作された、名作オカルトホラーです。ファッションデザイナーであるイレーヌは、自身が興奮すると豹に変化するのではないかと苦悩し、精神科医の診療を受けます。キャット・ピープルの血を受け継ぐ彼女は、人間と交わるとヒョウに変身。相手を食い殺さないと人間の姿に戻れないという状況の葛藤を描いています。1982年には、ナスターシャ・キンスキー主演でリメイクもされました。豹もネコ科の一種とはいえ、猫が登場するほっこりムービーではないので要注意。