Perfumeやサカナクションなどのミュージッククリップをはじめ、CMなどでも活躍する映像作家の島田大介さんは、1歳半になるスコティッシュフォールドのしらすさんと暮らしています。猫は映像や写真に撮りたくなる対象だと語る島田さん。クールでやんちゃなしらすさんとの、猫がいる日々について伺いました。
ハチワレ柄に一目惚れ
—しらすさんとの出会いは?
「ブリーダーさんのWEBサイトを見ていて、すごく気になるハチワレがいたんです。会ったらきっと飼ってしまうなと思い迷っていたのですが、何日か気が気でなくって。それで会いに行って、その場で決めました。生後2~3ヶ月だったと思います」
—どんな性格ですか?
「クールでやんちゃですね。でも、最初からやんちゃになりそうな気配はあったんですよ。ブリーダーさんのところでも、グイグイくる感じで。家に連れて帰った時は、すぐにトイレをしたんですけど、ずっとトイレの横に座っていました。ちゃんとやったよ! って主張したかったのかなと(笑)」
—しらすさんが子猫の頃は、Instagramなどの猫界隈がざわつくくらいイケメンで話題になりましたよね。
「周りの猫好きの人たちに声をかけられることは多かったです。僕自身は、子猫の可愛さというよりも、ハチワレ柄とグレーの色味が好きで。黒よりも柔らかくって、いい色だなっていつも眺めています」
クールな距離感
—猫と暮らし始めて大変だったことは?
「病気もせずに、本当に手がかからないんですよ。猫ってこんな楽なんだなと。以前、犬を飼っていたことがあるのですが、やっぱり猫のほうが飼いやすいですね。ただ、思ったほど懐かない。クールなんですよ。家で二人きりで仕事をしていても、全く気を使わなくていい。たまーに、机にドン! って乗ってくることがあるのですが(笑)、そういう時はお腹が空いているだけ。基本的には別々の時間が流れている感じです」
—言葉は理解していると感じますか?
「全然、理解していないですよ。通じ合えてないわけではないのですが、わかっていたとしても、わざと聞いてないフリする(笑)。自分のリズムで生きているから、完全にマイペースなタイプです。唯一甘えてくるのは、お腹が空いた時くらい。触られるのも嫌いで、抱っこした後はその部分を舐めて毛づくろいし直しています。少し潔癖なのかもしれませんね」
—猫がいると、他の家の人の猫も気になってきますか?
「そうですね。Cat’s Issue周りの猫たちはいつもInstagramでチェックしていますよ。ああ、コムタンは元気そうだなとか、冬毛になってきたなとか(笑)。家族ではないけど、気になる存在。また気になることがあると情報交換できるのもいいですよね。病気なのか、猫にはよくあることなのかとか。猫飼いの先輩たちからアドバイスをもらうだけでも、安心できます」
誰もが撮りたくなる猫
—なぜ猫と暮らしたいと思ったのですか?
「実は僕、猫アレルギーなんですよ。高校生の頃、猫を飼っている友人宅に遊びにいったら、もう咳は止まらないし顔も腫れちゃって……。だからずっと猫にあこがれはあったものの、飼うのは難しいかなって思っていたんです。でも、僕の好きな映画監督や作家ってみんな猫が好きなんですよね。伊丹十三監督や三島由紀夫や谷崎潤一郎など、なんでそんなに猫が好きなんだろうって。でも、アラーキー然り、猫は被写体としてとても撮りたくなる対象なんだと思います」
—ご自身の作品で猫を撮影したことは?
「PerfumeのMV『Cling Cling』では、(かし)ゆかちゃんの愛猫と一緒に撮影したり、GLIM SPANKYの『大人になったら』にもギターケースに住んでいる猫が登場しています。猫を撮影するのはとても大変。でもだからこそ、撮れた時の喜びは大きいですね。犬みたいに想定できないことが起こりますから」
—撮影中、思い通りにならない時、どうやって猫を操るんですか?
「そもそも台本通り撮影できるとは考えていないです。撮れたらラッキーくらいにしておかないと(笑)。もちろん、CMでは決められたカットが必要なのですが、MVでは自由な猫の姿を撮るようにしています。クライアントからも、猫があくびをしている姿やリラックスした表情を求められることが多いですね」
—Cat’s Issueのショートフィルムではしらすさんを撮影していましたよね?
「スタジオに連れていくのが初めてだったので心配していたのですが、意外に落ち着いていたので安心しました。しらすは、度胸があるんですよ」
—実際に猫と暮らして、なぜ映画監督や作家が猫好きになるかわかりましたか?
「普段、たくさんの人が関わる映像の仕事をしているのですが、正直に言うと、大勢の人と一緒にいるのが苦手なんですね。プライベートではみんなでワーと呑みにいくことも少なくて。基本的には一人でいたいんですが、でも本当に一人だと寂しい(笑)。しらすも似たようなタイプだと思っていて。かまってほしくはないけど、本当に誰もいないと寂しくなってしまう。好き勝手やっていられるから、僕も作業に集中できるんですよ。その他人を気にしすぎない感じが、一緒に暮らすにはちょうどいいんです」