book
写真集「Gommi」Kemuri Company 1,800円
劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチと女優の緒川たまき夫妻の愛猫、ごみちゃん。そのごみちゃんを撮影した写真集をなんと、ケラさん自身が自費出版し、500部限定で発売。ツイッターでの告知のみでありながらあまりの人気にすぐに完売し、さらに500部(シリアルナンバー無)を増刷することになった。
公園で保護されたという三毛猫のごみちゃん。犬と暮らしたことがあったというケラさんは、猫と暮らしはじめて1年あまり。避妊手術や病気などに一喜一憂しながらも、写真からはごみちゃんへの愛にあふれた生活が垣間みれます。
自費出版という酔狂(本人談)を少し照れながらも、飼い主夫婦だけでなく、ごみちゃんのファンがどんどん広がっていくこと間違い無しの1冊です。
【購入方法】
<通販>
件名に「写真集問い合わせ」、本文にお名前のみ記入し kemuri.company@gmail.com にメールをお送りください。追って購入方法を返信します。なお、携帯からの場合、必ずpcメール受信可能設定にしてください。
*上記の通信販売のみ、ケラさん&緒川さんのサイン入り!
<取り扱い店>
ヴィレッジヴァンガード下北沢店 http://www.village-v.co.jp/shop/list/detail/?code=13
丸山商店 http://neko-maru.com/
大阪はなんば白鯨 http://hakugei.net/
深夜喫茶銭ゲバ http://yaplog.jp/zenigeba/
*詳細はケラさんのツイッター( @kerasand )をチェック!
絵本「しろねこくろねこ」きくちちき(学研教育出版)amazon.co.jp
“しろねこは くろねこの くろい けが すきでした”
“くろねこは しろねこの しろい けが すきでした”
いつも一緒にいる2匹の猫が、お互いの違いを認め合うことで成長していく姿を描いた絵本。著者のきくちさん曰く、近所を歩いているとき、たまたま黒猫を見たらピーンときて、黒猫の絵本を描くことにしたといいます。
「なかなか気に入ったものが描けないので、何枚も何枚も嫌になるほど描き直しています。ただ黒猫は黒く塗りつぶして描くので、その際に多少の修正がきいて若干描きやすいかもしれません。また今回の話は、色によって展開していく話だったので、なるべく単純な色で身近に感じられるものを選びました。思いもよらない色に出くわすのを期待して試行錯誤したいから、色に対するこだわりは持たないようにしてます。これは色に限らず線を描くときや構図を決めるときなど、どんなときもそうですね」
実はこの本、きくちさんが1点1点手製本で制作した絵本がもとになっているとか。デザインはアートディレクターの菊地敦己さんが担当しています。
「一度自分で手製本して完成させた作品だったので、出版する際には全く新しくしたかったんです。デザインを担当してくださった菊地敦己さんは、以前にも仕事を見る機会も色々あったので、お任せした方が絶対いいものができると確信していました。結果、自分には勿体ないくらい素晴らしい絵本に仕上げていただきました」
絵本を作る際は、気に入るまで何度でも、しつこいくらい(!)描き直すというきくちさん。本書には猫だけでなくバッタやカエルなど、さまざまな生き物も登場します。
「生き物を描く時は、いつも想像で描いています。見て描くよりも想像膨らませて描く方が生き生きしたものが描けるんです。これが一番楽しいというのはないのですが、なぜかカエルを描くときが一番すんなり、簡単に描けてしまいます。それが嬉しくてついついカエルを登場させてしまいます」
ページをめくるたびに飛び込んでくる生き物たちと、美しい色彩が織りなす、まるで絵画のような絵本です。
「図書館ねこデューイ 町を幸せにしたトラねこの物語」 著:ヴィッキー マイロン/翻訳:羽田 詩津子(ハヤカワ文庫NF)amazon.co.jp
「動物はどのぐらいの影響力を持てるものか? 一匹の猫がいくつの人生とふれあえるだろう?」
アメリカ中西部にある田舎町スペンサーの公共図書館で、18年もの長きに渡り人々に愛された茶トラの雄猫、デューイのお話。波乱の人生を送ってきた女性館長の半生を重ねながら、世界中に愛されたデューイの18年間を辿ります。
ある冬の朝、図書館長ヴィッキー・マイロンは、返却ボックスの中でほこりまみれの子猫をみつけ保護します。人懐っこい性格と愛らしいしぐさ、そしてハンサムな姿は一躍町の人気者に。デューイの噂はあっという間にアメリカ中に広まり、遠方からわざわざデューイに会いにくる人たちも増えました。1987年から89年のたった2年間で来館者は6万3000人から10万人となり、図書館や町は活気を取り戻していきます。またNHKクルーが取材に訪れたエピソードなども掲載されており、図書館で暮らす猫がどのように”世界一有名な猫”になっていったかを垣間みることができます。
日本でも駅やお店などにいる看板猫は、いつでも人気の的になっています。猫がいることで、人々との交流が生まれる。図書館という場所を舞台に繰り広げられた、まるで映画のような実話です。
絵本「くまとやまねこ」著:湯本 香樹実 /イラスト:酒井 駒子(河出書房新社)amazon.co.jp
「きみは このことりと、ほんとうになかがよかったんだね。ことりがしんで、ずいぶんさびしい思いをしてるんだろうね」
突然、最愛の友達であった「ことり」を亡くしてしまったくまのお話。くまは花をしきつめた小箱にことりを入れたまま、暗い部屋にひきこもってしまいます。ある日、外に出たくまはバイオリンを手にしたやまねこと出会います。もうことりのことは忘れた方がいいという周りの声とは違い、くまの寂しさを受け入れるやまねこ。そしてやまねこは、ことりのためにバイオリンを演奏します。
大切な人が亡くなった時、どうやって未来をあるいていくのか。時間をかけて、ゆっくりと新たな一歩を踏みだすくまの変化に、こころゆさぶられます。
漫画「ちびとぼく」全10巻 私屋カヲル(竹書房)amazon.co.jp
猫が大好きな男子高校生ケンヂと、公家のような眉毛をした雌猫ちびとの暮らしを綴った4コマ漫画。思わず「あるある〜!」といいたくなるような、日常の細かなやりとりをユーモラスに描いています。猫好きのあまり、ケンヂは地元のテーマパーク「ネコランド」でアルバイトをはじめます。そこに暮らすペルシャ猫やスフィンクス、シンガプーラたちとの掛け合いも見事。それぞれの猫種の性格が細かくキャラクターに反映されています。同級生の女の子からのアプローチにも目をくれず、とにかく猫たちを愛するケンヂ。こんな猫好き男子高校生がいたら、猫たちはさぞかし幸せだろうなと思わされる漫画です。
「ポテトスープが大好きな猫」作:テリー・ファリッシュ/絵:バリー・ルート/訳:村上春樹(講談社)amazon.co.jp
テキサスの田舎に住む、おじいさんと年老いた雌猫のお話です。おじいさんと一緒に、のんびり暮らす雌猫の好物は、おじいさんが作るポテト・スープ。ある朝、なかなか起きない猫を残し、おじいさんは湖に魚釣りに出かけます。家に戻ってくると猫がいなくなっていた。果たして、雌猫はどこにいってしまったのか……。
自身も猫好きという作家、村上春樹がアメリカの本屋でひとめぼれして、すぐさま翻訳をしたという絵本です。「年取った雌猫はだいたいにおいて気むずかしくて、すぐムッと腹を立てるのだけれど、感情が細やかで、(きげんの良いときには)とても心優しくて、深く気持ちを通じ合わせることができます」といった、あとがきの解説も必読です。
「ノラや」内田百閒(中公文庫)amazon.co.jp
「ノラが昨日の午過ぎから帰らない。一晩戻らなかつた事はあるが、翌朝は帰つて来た。今日は午後になつても帰らない。ノラの事が非情に気に掛かり、もう帰らぬのではないかと思つて、可哀想で一日ぢゆう涙止まらず。やりかけた仕事の事も気に掛かるが、丸で手につかない」
作家・内田百閒が、居なくなってしまった愛猫ノラを探し、一喜一憂する日々を書いたエッセイ集です。野良猫として家に迷い込んできた猫を「ノラ」と名付け一緒に暮らし始める。しかしある日突然、ノラは庭から外へ出て、そのまま戻ってこなくなってしまう。近所の警察署へ捜索願を出すのみならず、雑誌連載でも迷い猫の記事を掲載、ついには英文広告まで作成してノラを探す日々。そんな中、ノラに似た迷い猫クルツが家にやってくる。ノラへの思いを断ち切れないももの、病気がちなクルツの面倒をみているうちに、愛情がわいてきてしまう。居なくなってしまったノラへの気持ちと、クルツヘの新たな愛情の狭間で葛藤する百聞先生。「猫は小さな子供と同じで、だましたり、うそを云つたりしてはいけない」と語る百聞先生の猫との接し方から、猫が人間と対等にある生き物だと教えてくれるはずです。
「くるねこ」くるねこ大和(エンターブレイン)amazon.co.jp
2006年にスタートして以来、1日あたりのアクセス数が25万件以上を超える人気ブログ「くるねこ大和」を単行本化。パッケージデザイナーを生業としている作者は、ペットショップで売れ残りのように扱われていた美輪明宏似(?)のもんさんを飼う。さらに、捨て猫を見ては保護し、小さな雌猫のポ子、雄の黒猫ぼん、鉢割れ柄の留吉といった個性豊かな猫たちとの暮らしをユーモラスに綴った漫画です。単行本は9巻、アニメ化もされるなど、ブログからスタートした猫漫画としては大ヒットの「くるねこ」。ひょうひょうとしながらも作者の猫に対する深い愛情と、それぞれの猫たちの関係性を丁寧に描いている点が、たくさんの猫好きから支持されている理由かもしれません。
絵本「100万回生きたねこ」佐野洋子 作・絵(講談社)amazon.co.jp
「ねこは しぬのなんか へいきだったのです」
1匹の雄のトラネコが100万回もの輪廻転生を繰り返しながら、最愛の白ネコに出会い、生を全うするという物語。1977年に刊行されて以来、読む人に生きること、死ぬことの意味を問いかける、大人から子どもまで圧倒的な人気を誇る名作絵本です。
2013年1月には、森山未來が主演する「100万回生きたねこ」の舞台が予定されています。白ネコには満島ひかりを起用。イスラエルの演出家による独創的なミュージカルになるとか。また、「100万回生きたねこ」を巡るドキュメンタリー映画も12月に公開。コーネリアスが楽曲を手がけるほか、2010年に乳がんで亡くなった作者・佐野洋子のインタビューも収録されています。
”死ぬことなんて怖くない”といっていた猫は、なぜ最後に涙を流したのか。この機会に、ふたたび「100万回生きたねこ」を読み返してはいかがでしょうか。
「猫と小石とディアギレフ」福原義春(集英社)amazon.co.jp
実業家であり、資生堂の名誉会長である福原義春氏が、集英社のPR誌に連載していたエッセイをまとめた一冊。冒頭に登場する「犬派、猫派、それとも」では、犬派だった福原氏がいかにして猫派に転身をとげたのか、黒猫のプーさんと三毛のミーチャンの2匹の猫たちとの暮らしを通じて書かれています。
エッセイの中で猫が登場する部分は少ないものの、「これまでに読んだ本の中から100冊を選べ」という雑誌の企画で、100冊もの本を選ぶ奮闘ぶりは実に興味深いです。実際に福原氏の本棚をのぞき見しているような楽しみがあり、大竹伸朗の「London/Honcon,1980」から「老子」やロラン ・バルト「表徴の帝国」、はたまたファーブル昆虫記まで、さまざまな本が並んでいます。末尾に記載された、全100冊のリストは必見。
ほかにも、白州次郎のダンディズム、日本人とカレー、マルタ島での経験、さらには出版界に対する苦言まで、福原氏独自の視点で書かれた読み応えのあるエッセイ集です。