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「ニクキュー」sallyscott
少女のように純粋な気持ちを持ち、好奇心旺盛で、いつも新しい自分を探し続けている架空の人物、サリー・スコットをイメージしたブランド「Sally Scott」。同ブランドが、毎シーズンのカタログとして発行しているのが「ニクキュー」です。編集・デザインを手がけるのはアートディレクターの菊地敦己さん。毎号、シーズンごとのファッションストーリーのほか、小説やイラストなども掲載。#009には、表紙に猫が起用されています。最新号#010では裏テーマを「自然の気配」と掲げ、写真家・永瀬沙世によるファッションフォト、小説家 岡本かの子さんの短編「山のコドモ」、 秋元理恵さんによる Drawingsなどを掲載しています。
サリー・スコット全店舗にて商品を購入すればもらえるほか、表参道店、銀座店、下北沢店、白金台店では、1冊210円で購入も可能。またこちらの本屋さんでも取り扱いがあるようです。
「シュレディンガーの哲学する猫」竹内薫/竹内さなみ 著(中央公論新社) amazon.co.jp
”哲学というのは、本当は身近なもので、子供のころの純粋な心で世の中の不思議を問うこと”
猫が案内する大人のための哲学入門書。サルトル、ウィトゲンシュタイン、ハイデガー、小林秀雄など、著名な哲学者・思想家が猫の姿を借りて登場する、摩訶不思議なファンタジー小説です。タイトルの「シュレディンガーの猫」とは、物理学者のエルヴィン・シュレーディンガーが提唱した、量子力学におけるパラドックスの思考実験の名称。ある日突然、飼い猫のミケコが、小難しい哲学について語り出す……。気まぐれで自由奔放な猫の生き方は忘れかけていた”純粋な心”を思い起こさせてくれる。つまり猫こそが哲学なのでは? と深読みしたくなる一冊です。
「かわいいにもほどがある」いくえみ綾(ホーム社) amazon.co.jp
漫画家、いくえみ綾が愛猫たちとの思い出を綴った人気WEB連載マンガ「月刊いくえみ綾の猫マンガ(仮)」のコミックス版。初代王様のキヨからはじまり、優しくてぼっちゃりしたチョビ太、小さくてちょっとおバカな茶子、お客さまには大人気の”接待猫”というキュウリ、胴長でまっすぐな性格のカブなど、いくえみ家歴代の猫たちとの出会いから別れまでが描かれています。特に気になるのが、作者に連れられてお散歩する猫たち。首輪とリードをつけてお散歩したり、野良猫たちと交流する姿は、まるで犬のよう。またそれぞれの猫たちのキャラクターが個性的で、その人間関係ならぬ”猫関係”も見所です。すでに亡くなってしまった猫たちを振り返りながら描いているので、「もっと遊んであげればよかった」という作者の後悔は、猫を看取ったことのある人であれば誰でも経験したことがあるはず。猫と暮らすことの悲喜こもごもが詰まった一冊。こちらのサイトでは試し読みも可能です。
Casa BRUTUS no.149「暮らしを変える本」
2012/7/10 発売 定価880円 amazon.co.jp
Casa BRUTUS「暮らしを変える本」特集で、ilove.catが「猫の気持ちがわかる本」コーナーにて、「猫語の教科書」をご紹介させていただきました。本の紹介とともに、snapshotsで人気の猫〈アラン〉のオフショットが満載です。
また、7月12日(木)には下北沢に新しくオープンする本屋「B&B」にてトークショウを行います。ilove.catがどのようにして作られているか、またクリエイターと猫さんたちの撮影秘話などをお話します。ぜひお越しくださいませ。
Casa BRUTUS×B&B「猫の気持ち ilove.catをつくるわけ」
『Casa BRUTUS』特集「暮らしを変える本。」では、「猫の気持ちがわかる本。」と題して、ポール・ギャリコ『猫語の教科書』を紹介しています。この本を紹介してくれたのは、編集者の服部円さん、写真家の鈴木心さんらが立ち上げた、猫とクリエイターをテーマにしたWEBマガジン「ilove.cat」のチーム。BEAMSの新コンセプトストア「B:MING LIFESTORE by BEAMS」とのコラボレーション・グッズも話題です。この「ilove.cat」というサイトが、どのようにしてはじまり、どんなことを考えてつくられているのかを中心に、いろいろお伺いしようと思います。
出演:ilove.cat編集部 鈴木心(写真家)、服部円(編集者)
聞き手 内沼晋太郎(numabooks/B&B)
日時:7/12(木) 20:00~22:00 (19:30開場)
場所:本屋B&B(世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F)
入場料:1500yen +1 drink order
チケットご購入方法:詳細はこちら
http://bookandbeer.com/?p=51
「綿の国星」1〜4巻 大島弓子(白泉社文庫) 各620円 amazon.co.jp
1978年から87年まで「LaLa」に不定期連載され、84年にはアニメ化もされた大島弓子さんの猫漫画です。主人公は、心優しき須和野家の息子・時夫に拾われたチビ。擬人化されたチビは「私は自分を人間だと思っているので、この姿で登場します」と宣言し、登場するほかの猫たちも人間の姿をしています。猫たちは人間の言葉を理解しますが、人間には「ニャー」としか伝わらりません。また「いつかは人間になれる」と信じて疑わないチビは、幻の銀猫・ラフィエルに「猫は猫のまま綿の国へ旅だっていく」と聞かされます。猫アレルギーだった時夫の母の奮闘ぶりやお金持ちの家に住むシャム猫の生意気な姿、仲間想いな野良猫の集団など、チビの目線を通した人間模様は、猫に触れたことのある人ならだれでも心当たりがあるはず。人間の住む世界と猫の世界を行き来する、大島弓子さんのファンタジックな世界に引き込まれます。
「猫のあいさつ」浅生ハルミン(青幻舎) 1,050円 amazon.co.jp
映画化もされた「私は猫ストーカー」の著者であり、イラストレーターの浅生ハルミンさんによるフリップブック。パラパラとページをめくると、まゆげのある黒猫が近づいてきて、猫らしい“とっておきの” 挨拶をするという仕掛け。子どもから大人まで楽しめる一冊です。
著者 浅生ハルミン/アニメーション製作 大山慶/装丁 cochae
動画はこちら。
http://youtu.be/nkeFnsj4V1I
『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』 伊藤潤二(講談社)680円 amazon.co.jp
猫と犬、どちらかと聞かれれば犬派。主人になついて忠実な犬のほうが好き、と心の奥底で考えていたホラーマンガ家の作者。大の猫派なパートナー・A子の強烈な“推し”で彼らの家に2匹の猫がやってくる。ヘン顔の「よん」と人なつこい子猫の「むー」をむかえ、七転八倒の日々が綴られていく。猫たちが眠るときに自分ではなくA子のベッドにばかり行ってしまうことに嫉妬して深夜自分のベッドにエサを撒いたり(食べるだけ食べて結局はA子のベッドに戻って眠る)、猫じゃらしに初挑戦してみたり(猫たちにまったく相手にされず一人で熾烈な踊りを繰り広げただけ)。マイペースな猫たちに踊らされ、しかもそれが心地よくなっていくさまが爆笑を誘う。猫マンガにありがちなゆるい絵柄ではなく、作者ならではの劇画調のタッチがギャグ満開なストーリーに妙にフィット。何度でも読んで何度でも笑える猫マンガだ。
追伸:何があっても電車の中では読まないように。笑いが止まらず変人確定。
『野良猫ケンさん』村松友視(河出書房新社) 1,470円 amazon.co.jp
自宅の庭を行き来する猫に、近所の道ばたでよく出くわす猫……。猫好きなら誰しも、見慣れた野良猫の数匹はいるはず。21年を一緒に過ごした飼い猫“アブサン”との日々を描いた『アブサン物語』などで知られる直木賞作家にとってもそれは同じ。庭に出入りする猫たちに勝手に名前をつけてエサをやるうちに、いつしかかけがえのない存在となっていく。寡黙でけんかっ早い“ケンさん”をはじめとするとりどりの猫がたくましく生きるさまに、ずんずんと惹きつけられる一冊。