column
Eテレ「0655」のネコデミー賞を受賞し、一躍話題の猫となったアメリカンカールの雌猫・はなさん。飼い主であるご夫婦とモダンなインテリアや家具に囲まれ、のびのびと暮らしています。猫と暮らしながらも好きなモノを妥協せず、素敵なライフスタイルを送るコツを岸本崇子さんに伺いました。
—はなさんとの出会いは?
「ホームセンターに買い物をいったとき、偶然ペットショップで出会ってしまったんです。一度家に帰ってもずっと気になってしまって、しばらく考えて飼うことになりました。代々猫好きでずっと猫を飼っていますが、世話は母が主にやっていたのできちんと自分で猫を飼うのははじめてでした」
—はなさんは、どんな性格ですか。
「内弁慶ですね。お客さんがいる時といない時では全然ちがいます。あとは好奇心が強く、食欲よりも遊ぶほうが好き。ごはんはカリカリのみ。おやつはかつおのレトルトパックやモンプチのクリスピーキッスをあげています。お皿は人用のものですが、食べやすいようにちょっと高さをつけています」
—ブログ「はな日和」をはじめたきっかけは?
「あまりに可愛いくて、毎日何百枚と写真を撮っていたんです。記録として残す意味もこめてブログをスタートしました。いい写真が撮れたときはせっかくなのでと、コンテストに応募してみたり。最近ではEテレ『0655』に採用され、ネコデミー賞も受賞(http://calicohana.exblog.jp/17268661/)することになりました」
—ブログをはじめて変わったことは?
「同じアメリカンカールを飼っている人とブログを通じて知り合い、うちに遊びにきてもらったことがあります。同年代の方だったので仲良くなったりと、猫がきっかけとなり、新しい出会いがたくさんありました」
—いい写真を撮るコツは?
「できれば自然光の入る午前中に、背景をなるべくシンプルにして撮影しています。また季節感があるものを入れたり、面白いグッズを試してレポートしたり。あとは、わからないことがあったら聞いてみる。コメントでいろんな方が教えてくださるんですよ。こっそり見てくださっている方が、例えばはなが病気をした時やテレビに出た時など、たくさんコメントをくださるんです」
—こだわりの猫グッズを教えてください。
「キャットタワーはREPLUSのPlayTower 3段です。バラ売りもしていたので、3歳のときに4段目を買い足しました。いまは廃盤になってしまっているようですが、ベッドも同じくREPLUSのもの。ちなみに、ミラノサローネで発表された時に見た necobacoはちょっと高くて手が出ないのですが、あこがれですね。トイレはニャンとも清潔トイレ。キャリーは猫用ではないのですが、かごを使っていて、普段はおもちゃ入れにしています。キャリーはおもちゃがあって楽しい場所と印象づけると、病院に連れていくときもすんなり入ってくれるんですよ」
—インテリアがとても素敵ですよね。
「この家は、はなが来る半年前に引っ越ししたんです。細かいところまでこだわって設計したのですが、やってくるなり新築のきれいな床を容赦なく走り回っていて。最初は戸惑いましたが、すぐに諦めました(笑)。家具は修理すればいいわけで、やっぱり可愛さのほうが勝ってしまうんですよね。また布モノだと爪研ぎされてしまいますが、プラスチック素材の椅子であれば大丈夫。水槽はのぞくだけでいたずらはしないのですが、後ろにまわれないようにブックエンドを置いたりと、さりげない工夫をしています」
ブログ「はな日和」
http://calicohana.exblog.jp
2011年3月11日におこった東日本大震災、並びに東京電力福島第一原発事故により、警戒区域内に残された犬や猫を保護する施設「三春シェルター」が福島県三春町にあります。シェルターを主宰する福島県動物救護本部では、いまだ飼い主がみつからない200匹以上もの猫たち(犬は約70頭あまり)が、新たな飼い主さんを募集しています。シェルターで働く職員・渡辺美恵子さんにお話を伺いました。
(追記:2015年12月25日、すべての犬猫の飼い主や里親がみつかり、三春シェルターは閉鎖されました)
■第二弾レポート
https://ilovedotcat.com/ja/7318
■第三弾レポート
https://ilovedotcat.com/ja/7596
■第四弾レポート
https://ilovedotcat.com/8514
—三春シェルターはいつからスタートしたのですか?
「ここに集められているのは、警戒区域内に住む方々から保護依頼を受けて、一時帰宅などにあわせて保護された動物たちです。震災直後の2011年4月、福島県が福島市飯野町にある倉庫を改装し、被災動物を収容する第一シェルターを設置しました。すぐに一杯になってしまったので同年10月、新たに三春町に第二シェルター(三春シェルター)を設置しました。今年1月末で第一シェルターは閉鎖し、現在は第二シェルターに動物たちを集約しています」
—現在、三春シェルターには何頭の犬猫がいるのですか?
「猫は267匹、犬は76頭です(2013年2月3日時点)。飼い主さんがみつかった動物たちはすぐに戻しましたが、まだ仮設住宅などにいる方で、シェルターで預かったままの動物もたくさんいます。2012年の3月/9月/12月の3回、国の一斉捕獲があり、警戒区域で保護した動物たちが新たにやってきました。飼い猫だった子たちは、保護されてすぐは怯えていましたが、シャーシャーいうような野生化はしておらず、すぐにシェルターに慣れてくれました。逆に、人に接しないで育ってしまった子猫たちはまだ少しケアが必要です」
—警戒区域内の動物については、一般の動物愛護団体が保護しているニュースなどが報道されていますが、ここは福島県動物救護本部が運営しています。施設を拝見し、義援金や物資などは足りているようにみえますが、不足しているものはありますか?
「猫砂などの消耗品はいくらあっても足りません。さらに動物の住環境はもちろん、関わるスタッフやボランティアの方が働きやすい環境づくりを心がけています。施設を維持していくために義援金や物資などをいただけるのはとてもありがたいのですが、今本当に必要なのは里親です。このシェルターがいつまで続けられるかわかりません。殺処分はしないということを表明していますので、動物たちがいる限り、シェルターは運営し続けなければいけない。1匹でも多く、里親をみつけて譲渡することでしか、終わりはないんです」
—里親になりたいと思った場合、どのような方法で譲渡できるのでしょうか?
「譲渡は福島県庁とお申し込みいただいた方との話合いになります。詳しい条件はWEBサイト(http://www.fuku-kyugo-honbu.org)に記載してありますが、性別やおおまかなご希望を伺い、そのリクエストに近しい猫を何匹か見ていただき、譲渡することになります。またWEBサイトで写真やプロフィールを公開していますので、そこから選んでいただくことも可能です。ただ、シェルターから譲渡する場合、トライアルはできません。一度里親として譲渡した動物は、シェルターに戻さないというのが条件です」
—シェルターは一般公開されていないので、気になる猫がいても気軽に見に行くということはできないですよね。例えば、ボランティアとして参加すれば、お世話をしながら動物たちに接することはできるのでしょうか?
「実際に会ってみると、猫たちのかわいさに心動かされる人も多いと思います。とはいえ、なかなか福島県三春町までわざわざ足を運んでくださる方は少ない。ボランティアはWEBサイト(http://www.fuku-kyugo-honbu.org)の申し込み用紙をダウンロードしていただき、FAXでお申し込みいただくことができます。主に掃除や餌やりなどの作業をしていただき、作業後にシェルター内を見学いただくことは可能です。その際に気になる猫がいれば、改めて譲渡の申請をしていただくことになります。いきなり里親になるのはハードルが高いかもしれないので、気軽にボランティアに来ていただくのがいいかもしれません。もちろん、譲渡につながらなくても、福島では被災動物の問題がまだまだ解決していないという事実を知っていただけるだけでも意味があると思います」
【里親募集中の猫たち】
三春シェルターで新たな飼い主さんを待っている猫たちをご紹介します。 職員さんたちによる性格レコメンドも合わせてご覧ください。 メゴちゃん メス、雑種、約1歳 問い合わせ番号:20326 遊び盛りでやんちゃな性格。抱っこが大好き。 (*取材後、里親さんが決定しました) アスカちゃん メス、雑種、2歳 問い合わせ番号:20332 保護した時は触れられなかったけれど、いまではすっかり甘えん坊。かわいらしい声で鳴きます。 (*取材後、里親さんが決定しました) 小春ちゃん メス、雑種、約2歳 問い合わせ番号:20305 きれいな青い目が印象的。ゲージ内から手をだして甘えてきます。 (*取材後、里親さんが決定しました。後日.catでレポートします) アバ メス、ロシアンブルー、約3歳 問い合わせ番号:20253 気まぐれやさん。機嫌のいい時は自分からスリスリしてきます。抱っこはちょっと苦手。 島ちゃん メス、雑種、約2歳 問い合わせ番号:20263 おとなしく、おっとりした性格。掃除中はずっと足下でスタッフの顔を見上げながら抱っこを待っているとか。そーっと服の中に入ってくることも。 (*取材後、里親さんが決定しました) くりん オス、雑種、約5歳 問い合わせ番号:20459 手足やしっぽがスラリとしていて、スタイルがいい。おとなしく優しい性格です。 (*取材後、里親さんが決定しました) スカイ オス、雑種、約5歳 問い合わせ番号:20469 何をされても怒らない、おっとりしたタイプ。すぐにお腹をみせゴロンとして、なでてほしそうにアピールします。 (*取材後、里親さんが決定しました) サン オス、雑種、約3歳 問い合わせ番号:20470 しっぽがチャームポイント。抱っこが大好きで、初対面の人でも平気。他の猫たちとも仲良く、人慣れしています。 (*取材後、里親さんが決定しました) オバアー メス、雑種、約5歳 問い合わせ番号:20344 いつも手をグーパーグーパー(エアーフミフミ)しています。オバアーと呼ばれていますが、身軽な動きをみせてくれることも。社交的で行動的。 ilove.catの拠点は東京ですが、立ち上げメンバーである写真家の鈴木心が、福島県三春町の隣にある郡山市出身という縁があり、今回取材させていただくことになりました。また鈴木は.catとは別に、定期的に福島県を訪れ独自にプロジェクトを進めています。 福島県動物救護本部に保護されている猫たちが1匹でも多く、新たな飼い主さんに出会えるよう、.catでは継続的に猫たちを紹介していく予定です。今後は、里親募集とともにシェルターでのボランティアについても、.catの読者の方々とともに参加できるプログラムを企画していきたいと考えています。 チャリティー缶バッチ。福島県動物救護本部のWEBサイトと三春シェルターで購入可能。 *里親募集、ボランティアなどのお問い合わせはこちらへ 福島県動物救護本部 http://www.fuku-kyugo-honbu.org
猫にも手相ならぬ、肉球相があるらしい。そんなウワサを聞いたilove.cat編集部は、「ねこの肉球うらない」の著者・宮岸洋明さんのもとを訪れました。
編集者と飲んでいたとき、女性の好きなモノといえば「猫」と「占い」だよねという話になり、そのふたつを組み合わせた企画を思いついたという宮岸さん。
「僕は、猫雑誌や占い本の編集の仕事もしていたので、すんなり企画が通ってしまったんですよね。でも実際に猫の取材をはじめたら、肉球を集めて分類するという作業は、想像以上に大変でした。まず、ほとんどの猫がミックス種なので、猫種によって肉球のパターンが異なるのではという仮説が成り立たない。さらに、人間の手相のように細かい差があまりない。はじめは友人の猫を集めていたのですが、サンプルをより多く集めるため、猫カフェに行ったり、猫ブロガーさんたちの写真もお借りしました。また、駅長・たまなど有名な猫の肉球も取材しました。やはり、スター性のある猫は肉球が違いましたね」
うらなうのは基本的に、猫パンチや顔を洗う利き足。また肉球には、生命球とよばれる第1指球(親指)、出世力をあらわす第2指球(人差し指)、頭のよさがわかる第3指球(中指)、愛情の深さをはかる第4指球(薬指)、食欲をあらわす第5指球(小指)、そして人間の手相と同じ基本性格を判読する掌球があり、これらを分析して総合的に判断するとか。さらに「ねこの肉球うらない」では、三つ葉型、米つぶ型、富士山型、おにぎり型、ロケット型の5パターンに分類しています。そこで、snapshotsに登場する猫たちの肉球を、宮岸さんにうらなっていただきました。
ハク
(スコティッシュ/オス/1歳)
飼い主さんいわく、物怖じしない性格だというハク。
「おにぎり型ですね。正義感が強く、一見おとなしそうに見えますが、内に秘めた闘争心は猫一倍。でもキレイなピンク色をしているので、健康は問題ない=ストレスがあまりないのではと思います」
ウタ
(雑種/オス/7歳)
捨て猫だったというウタは、小心者で甘えん坊。体調を崩しやすいのが悩みだとか。
「好奇心旺盛なロケット型ですね。7歳にはみえない、ツヤツヤした肉球です。頭脳球に黒いポイントがあります。食に気を使い、自分の体が弱いということを自覚している。それが小心者という性格にみえるのかもしれません」
メグ
(雑種/メス/1歳 )
人懐っこい性格で、よく遊ぶおてんばなメグ。 遊びの延長で凶暴化し、しばしば噛み付くことも。
「三つ葉型は、愛情深く飼い主を裏切らないという信念をもっています。環境の変化が苦手なので、引っ越しなどストレスから病気になることも。イタズラはかまって欲しいというアピールです。ややカサついているので、やさしくマッサージしてあげるといいでしょう」
テト
(雑種/メス/1歳)
やんちゃなわりに、神経質な性格のテト。
「3つの肉球が細長く、米つぶが並んでいるようにみえる米つぶ型の肉球。臆病でデリケートなところもありますが、愛情や飼い主に恵まれるタイプです。気を使いすぎるので、ストレスがたまってしまうことも。ピカピカで健康そうな、とてもいい肉球だと思います」
肉球を観察することで、猫の性格はもちろん、健康チェックにもなるとか。なぜこんなにも肉球にひかれるのか、理由は定かではありませんが、ぜひともこの機会に、愛猫さんの肉球を観察してみてはいかがでしょうか。
【タイプ別診断】
* 詳しい「肉球うらない」はこちらの本でチェックしてみてください。
「ねこの肉球うらない」宮岸洋明 amazon.co.jp
平凡社 PR誌『月刊 百科』のユニークな猫たち
アートディレクター・服部一成さんインタビュー
平凡社のPR誌『月刊百科』の表紙に描かれた一風変わったフォルムの猫たち。アートディレクターとして表紙のデザインに携わってきた服部一成さんに、表紙の猫たちについてお伺いしました。
—2008年1月号から、休刊する2011年6月号まで表紙のデザインを手がけられたそうですね。なぜ、表紙に猫を起用したのでしょうか?
「んー、なんとなく(笑)。『月刊百科』の表紙をデザインしてほしいという連絡をいただいた際、2色で構成してほしいという制限はあったものの、それ以外は特にテーマはなかったんです。この冊子は、本屋さんで無料で配られるものなので、愛嬌のある具象なモチーフでやりたいなと。そこから、毎号いろんな動物でやるアイデアがでてきて、1月号の締め切りに合わせてつくったのが猫でした。レイアウトを渡した際、『来月はサルか犬か……まだ決めてはいないんですが、動物でいきます』と担当の足立さんに伝えたのを覚えています。きちんとプレゼンしたわけではなく、出来上がったモノを入稿前にお見せするという進行だったので、デザインはこちらに任せてもらっていました」
—いままで、猫を飼ったことは?
「子どもの頃は犬を飼っていました。実は最近、猫を飼い始めたんです。でも全然馴染んでなくて抱っこもさせてくれず、手を出すと引っ掻かれます。『月刊百科』のデザインを手がけていた時は飼っていませんでした。表紙の猫たちは簡単な図形のみで構成しているので、猫に見えないというツッコミもあったことも。実際は、三角の耳がついていれば猫っぽくなったりするので、モチーフとして扱いやすいという一面もあります」
—犬との違いは感じますか?
「犬種によってフォルムも全く違うから、バリエーションを出しやすいと思います。逆に猫は制約がある分、面白味がでるのかもしれません。1月号で猫を描き、2月号を入稿する時に、猫で続けることを決めました。平凡社は『作家と猫』という本がでていることもあり、猫と本は相性がいいのかなと。サルやほかの動物でやっていこうかなとも考えたのですが、結局猫の持っている愛らしさや、それでいながら懐くわけでもないというキャラクターが平凡社にしっくりくるなと。また平凡社という社名をあえて顔のデザインに入れ込んだんです。猫の顔に文字が入っているというバカバカしさが面白くていいかなって」
—猫を表紙に起用したことで、反応はありましたか?
「全くなかったです(笑)。もともと販売しているものではないし、本屋でもあまり見かけなかったり……。ちょっと寂しいですよね。今回の取材が最初の反応ですよ。ただ、僕としてはやってみていろいろ発見があり面白かった。ここで描いた猫をgggで開催した個展のポスターに使ったりもしました」
—デザインをする上で、猫のリサーチはしたのですか?
「改めて猫を観察することはしませんでした。だから猫好きな人がみたら、猫のことをわかっていないな、と思うかもしれません。スケッチを描くこともありましたが、モニターの前で図形から起こすことも多かったかな。猫のわき役としてイモ虫(2008年4月号)を描いたりもしてみたのですが、いまいち伝わらなかった。それで5月号ではシンプルにしてみたりと、フラフラしながらデザインの方向性を決めていきました。結局1年目は、体がストライプで顔に平凡社の文字を入れるという縛りに落ち着きました。2年目は平凡社の文字を口にレイアウトしています。谷岡ヤスジや赤塚不二夫の漫画にでてくるキャラクターのイメージで、できるだけ猫のフォルムを解体しようと。フォントもゴシックに変えました」
〈2008年1月号〜12月号〉
〈2009年1月号〜12月号〉
—ちょうどこの頃、『月刊百科』担当の足立さんがやっているツイッターアイコン( @heibonshatoday )にこの画像が使われていて拝見したのですが、失礼ながら、最初は猫だと気づきませんでした……。
「かなり猫から逸脱していますよね。ハメを外そうとしてちょっと苦しんでいたかも(笑)。顔は耳をつければどうにかなるのですが、体が難しい。猫らしいポーズやしぐさは考えず、グラフィカルな面白味を追求していました。3年目になると、昨年の反省を生かしてシンプルにしようと決めて。ストライプを止めてシルエットにこだわり、色を淡いトーンに揃えました。筆文字に変えた『月刊百科』のロゴも読みづらくて、普通の雑誌ではありえない薄い色味なのですが、PR誌なので毎号内容も変わりますし、各号の特集があるわけでもない。表紙も連載コンテンツの1つという考え方です。だから自由にやらせてもらえたのだと思います」
〈2010年1月号〜12月号〉
—ここまで揃うと、服部さんが生み出す猫の多様さに圧倒されます。
「アートディレクターの先輩である井上嗣也さんがこのシリーズを気に入って、1000匹まで続けて本にしてよと言ってくださいました。でも残念ながら4年目の6月号、全部で42匹描いたところで終わってしまったのですが。4年目は細かいディテールをやめ、色を渋くしたんです。最後の号は、1号目の猫が泣いている姿で締めました。井上さんに休刊になってしまったんです、と報告したら『そんなの関係ないよ。描き続ければいいじゃない』と。でも、仕事でないとサボり癖があるので続けていくのは難しいですね」
〈2011年1月号〜6月号〉
—猫好きとしては、すでにある分だけでもまとめて本の形になっていたらいいのに!と思います。
「いや、42匹ではZINEにしかならないですね。そういえば今日、僕が小学5年生のときにおばあちゃん宛に書いた年賀状を持って来たんです。うさぎの顔に文字がはまっていて、1号目の平凡社の文字を顔にするアイデアと同じ。2〜3号手がけてから、ひょっこりこの年賀状がでてきたのですが、自分でもビックリしました」
—すでに小学生のころにあったアイデアだったのですね! そしてついに猫を飼うことになったと。
「猫をモチーフにした作品でいえば、ハローキティの展覧会『KITTY EX.』に出品したものや雑誌『真夜中』で猫のシルエットを使ったビジュアルをつくったこともあります。とはいえ、まさか猫を飼うことになるとは思わなかった。犬の従順なところとは違う、猫と飼い主の関係にずっと憧れはあったんです。猫は独立している感じがします。猫そのものというよりも、その存在のしかたに魅かれるんですよね」
服部一成(はっとり・かずなり)
1964年東京生まれ。東京芸術大学美術学部デザイン科卒業後、ライトパブリシテイ入社。2001年よりフリーランスに。主な仕事に、「キユーピーハーフ」の広告、「三菱一号館美術館」のロゴタイプ、「流行通信」「here and there」「真夜中」のエディトリアル、「プチ・ロワイヤル仏和辞典」ブックデザインなど。作品集に「服部一成グラフィックス」(誠文堂新光社)がある。
書籍版も昨年11月に発売され、ますます盛り上がりをみせる、猫とクリエイーターをテーマにしたWEBマガジン「ilove.cat(アイラブドットキャット)」。
昨年も好評だった「ilove.cat 祭り」が、今年もやってきます!ニャンニャンの日(2月2日)に送る、猫と、猫との暮らしを愛する人々のための全三部構成のスペシャル・プログラム。
第一部は、ilove.catのメンバー、そして「BMING LIFE STORE by BEAMS」で彼らと商品開発をしたBEAMS創造研究所シニアクリエイティブディレクターの南馬越一義氏をお迎えします。「カワイイ!」ばかりだった「猫業界」に、webで、書籍で、そしてグッズで、スタイリッシュなイメージを送りだしてきたilove.cat。彼らは、この猫バブルの中、何を思い、何をクリエイトしようとしているのでしょう?
第二部は、角田光代(小説家)×禿真哉(建築家、株式会社トラフ建築設計事務所)の対談!
異色の対談が実現します。書籍『ilove.cat』には猫愛に溢れるエッセイを寄せて頂いた小説家・角田光代さんと、新しい感性で建築設計だけでなく、多岐に渡るデザインで活躍の建築家・禿真哉さんが初顔合わせ。猫と建築の関係について考えます。ilove.catがクリエイターに取材するとき、場所は「自宅」がルー ル。それは、飼っている猫の紹介にとどまらず、猫との「暮らし」についても詳しく話を聞きたいから。人間にも、猫にも過ごしやすい住空間 とは? そんな家があれば、ilove.catの提唱する「ネコミュニケーション」ももっと弾むはず です。
第三部は、坂本美雨(ミュージシャン)+mito(clammbon)のライブ
坂本美雨さんとmitoさんによるライブが決定しました! 書籍『ilove.cat』に楽譜を提供して頂いた「シロネコ」は、坂本さんが ニューヨーク在住時に飼っていた猫をモチーフに、mitoさんと共作した曲。強い猫愛を感じます(同曲は、今年 に入ってから、音楽配信サイトOTOTOYにて高音質配信されたばかり! こちらでチェック)。愛猫サバ美さんのお話しも伺えるかもしれません。
また、第1部から第3部まで、J‐WAVE『RENDEZ-VOUS』(月~木 14:00-16:30)のナビ
ゲーターとしてもおなじみのレイチェル・チャンさんが司会進行として、ilove.cat祭を盛り上げてくださることにな りました!
対談企画あり、ライブありの贅沢な一日になること間違いなし。猫大好き!!!!! という人はもちろん、猫は好きだけど、「どこもかしこも猫の話題ばかりね……」と食傷気味で、素直に楽しめない人も、きっと楽しめます。
書籍版『ilove.cat』刊行記念!
「ilove.cat 祭り2013 〜猫と本と音楽と〜」
♦日時:2013年2月2日(土)13時30分開場、14時開演
♦会場:Vacant(渋谷区神宮前3-20-13) http://vacant.n0idea.com/
♦入場料:3500円(ドリンク別)
♦出演者
第一部:BEAMS創造研究所シニアクリエイティブディレクター南馬越一義、ilove.cat(鈴木心、服部円)
第二部:角田光代(小説家)、禿真哉(建築家、株式会社トラフ建築設計事務所)
第三部:坂本美雨(ミュージシャン)、mito(clammbon)
♦申し込み方法は下記メールへご連絡ください。
予約:booking@n0idea.com(VACANT)
件名を「ilove.cat」とし、本文に「お名前/人数/ご連絡先」を記入したメールをお送りください。
*万が一、2・3日経っても返信がない場合は、03-6459-2962 (VACANT) までお電話ください。
http://vacant.n0idea.com/
2012年、ilove.catの中でアクセスの多かったTopics記事をご紹介します。
■10位
【有名猫さんに会ってきた!】 instagramで話題のオシャ猫「どんこ」編
https://ilovedotcat.com/ja/6209
■9位
【猫キャラ図鑑】第一回 「クロネコヤマト」の由来
https://ilovedotcat.com/ja/5269
■8位
猫嬢ムームさんのお引っ越し
https://ilovedotcat.com/ja/4183
■7位
「アンダーカバー」の猫グッズ
https://ilovedotcat.com/ja/4832
■6位
写真家・荒木経惟 × チロ 「日本で一番有名な猫」
https://ilovedotcat.com/ja/2131
■5位
猫専用手帳 MOLESKINE「Passions Cat Journal」
https://ilovedotcat.com/ja/5095
■4位
【猫のなぞに迫る!】〜麻布大学 獣医学研究科 [前編]
https://ilovedotcat.com/ja/5722
■3位
「PAUL & JOE」猫モチーフのコスメ
https://ilovedotcat.com/ja/3889
■2位
「ilove.cat × B:MING LIFESTORE」の猫グッズ
https://ilovedotcat.com/ja/4448
*すでに販売は終了していますが、2月下旬に第2弾グッズの発売を予定しております。
■1位
動物写真家・岩合光昭が語る、猫の撮り方
https://ilovedotcat.com/ja/2622
12/15発売の雑誌「BRUTUS」No.746 内「新タイプのSDメモリカード《FlashAirTM》」の特集記事にて、写真家の鈴木心が猫たちに囲まれた姿を披露しています。
撮影場所は、恵比寿にある猫カフェ「Nyafe Melange」。人懐っこい猫さんたちをご紹介します。
〈メロン/雄/MIX/2009年8月生まれ〉
〈ラテ/雌/ヒマラヤン(もどき)/2009年6月生まれ〉
〈マロン/雌/MIX/2009年9月生まれ〉
〈ステテコ/雌/マンチカン/2009年5月生まれ〉
〈メル/雄/MIX/2009年9月生まれ〉
つづきの撮影風景は「BRUTUS」でご覧くださいませ。
Nyafe Melange(ニャフェ・メランジェ)
住所:東京都渋谷区恵比寿1-7-13 3 F
電話:03ー5449ー4024
http://www.nyafe-melange.com/
オシャレなインテリアとブサカワな表情とのギャップがinstagramやブログ「どんころり」で話題になっている雄猫どんこさん。スコティッシュホールドよりのミックス、4歳。猫を飼うのは初めてだという写真家の井上佐由紀さん、マネージャーの外山輝信さんと暮らしています。おふたりの愛情をたっぷり受けた、どんこさんに会ってきました。
—どんこさんとの出会いは?
インターネットの里親募集でみつけました。猫を飼いたい!と思ってから500匹以上はチェックしたと思います。最初はロシアンブルーのようなシャープな猫を探していたのですが、どんこを見た時、即決でした。友人にも、なんでこの子なの?ってびっくりされました。
—猫を飼ったことはあったのですか?
いえ、全くありません。でも、周りの友人に猫を飼っている人が多くて、たまに預かったりしていました。実家では犬を飼っていたのですが、仕事が不規則なので、猫だったら飼うのも楽だよと聞いて。ペットOKな物件に引っ越すことが決まってから、すぐ飼う事にしました。
—失礼ながら、どんこさんはブサカワというか……とってもユニークな表情をしていますよね。
うちに来たときにすでに3歳だったので、子猫のような愛くるしさもないし、自分でもなんでだろうとは思うんですけど(笑)。大人の猫は保護されても貰われにくかったり、柄も顔も整っていないと人気がないと聞いていて。どんこはちょっと不細工ですが、でもこの表情やぽってりとした姿に魅かれてしまうんですよね。あとは、人懐っこいところも魅力です。
—どんこという名前の由来は?
私の出身地である福岡県柳川市の名物「どんこ舟」から名付けました。アラーキーが新婚旅行にいった場所で有名です。ほかに「越山餅(こっさんもち)」という名産品もあって「こっさん」か「どんこ」で迷ったんですけど、「どんこ」になりました。2匹目を飼う時は「こっさん」にしたいなと思っています。
—実際に、暮らし始めてからはどうでしたか?
多頭飼いだったので、最初は距離をとっていましたが、すぐに膝の上で甘えるようになりました。年齢がある程度いっていても、懐くものなのだなと。人に対して威嚇などもしません。いたずらでガラス瓶を倒して壊すこともありますけど、どうせ壊されるからと買わなくなりました。人間のほうが対応するのかもしれませんね。
—ブログにどんこさんが「おならをする」と書いてあったのですが、なかなか珍しいですよね。
どんこは腸が弱く、便秘気味なんです。最初は血便もしていたくらい。いまはロイヤルカナンのカリカリでよくなったのですが、たまにおなかをさすっていると、プ〜っと。人間もするし普通のことだと思っていたのですが、20年飼っている人からはじめて聞いたと言われてびっくりました。
—ブログをはじめて、反応はありましたか?
仲の良いデザイナーさんたちが見てくれて、インディゴ7のジャケットに使ってもらったりと、口コミで広がっている感じです。あとはうどん屋さんで展覧会をやったりもしました。でも写真やデザインをキレイに仕上げていると「飽きるよ」って言われて……。少し生活感があったしたほうが、猫好きにはひびくのかなと思います。キレイにみせるだけでは猫の魅力が伝わらないので、難しいですよね。
—インテリアがとても素敵なのですが、ソファーで爪研ぎをされてたりと、猫を飼っているとインテリアにこだわることがなかなか難しいのかなと思うのですが。
爪研ぎはほとんどしません。だから、皮や布張りのソファーでも大丈夫なんです。よく「猫が居心地よくなるようなグッズがないよね」っていわれますけど(笑)、猫用のグッズはデザインがいまいちですよね。猫ベッドやキャットタワーとか、トイレもそうですし。グルグルと回るおもちゃも欲しかったりするのですが、あまり家に置きたくないなと……。もっときちんとデザインされたグッズがあればいいのにと思います。
2003年7月から、ネット上で1日1コマずつ掲載されている漫画「きょうの猫村さん」。鉛筆のやわらかなタッチで描かれる家政婦の猫村さんに、日々癒される人も多いはず。そこで、猫村さんの生みの親である著者、ほしよりこさんに取材しました。
—なぜ、家政婦 × 猫という組み合わせを思いついたのですか?
お金持ちの家の事情(夫婦の関係や愛人の存在)などを描いてみようと思ったのがきっかです。第三者の目でそれを描くのに、猫の視点から描いてみようと思いました。その家に飼われるきっかけを考えたところ、家政婦としてお屋敷に入る方法を思いつき、ああいうことになりました。
—犬やほかの動物ではなく、猫だった理由は?
犬はわりと関節などが堅く、人に近い動きを二足歩行でやりやすいのは猫の方だと思います。それから猫は犬よりも人に近い部分が多いように思うので、犬よりも自然だと思います。
—実際にモデルとなった猫はいますか?
いません。
—猫は飼っていますか?
飼っていません。留守がちなので動物を飼えないので残念です。
—猫村さんの一番すきなポーズは?
ねころんでいるときと下を向いて座っているときです。
—猫村さんを描くとき、難しい点は?
思いっきり走るところがわりと難しいです。
—お気に入りのエピソードは?
一巻の最初の方で村田家政婦のみなさんをマッサージして送り出した後、村田の奥さんに身の上話をするところです。そこまで描いて、猫村さんの性格がはっきりできて、自分も彼女を理解したと思いました。
—猫は人間の言葉を理解していると思いますか?
している部分もあると思いますよ。
—猫村さんを描いたことで、猫に対する見方が変化しましたか?
あまりそういうことはないようです。猫とふれあうときは完全に猫村さんのことは忘れています。
—今後の猫村さんの展望を教えてください。
新刊が多分来年に出ます。グッズはカレンダーが今のところ最新で、今回は暦の考え方を変えてみて、中身が今までとちょっと違う雰囲気だと思います。猫村さんはまだご奉公をがんばっています。
「きょうの猫村さん」6巻発売中
http://magazineworld.jp/books/all/?gosu=2488
「きょうの猫村さん」壁かけカレンダー 2013年
http://www.amazon.co.jp/dp/4838790279
「きょうの猫村さん」のメールマガジンはこちら
http://www.nekomura.jp/
おまけ
【可愛い】「きょうの猫村さん」を真似する猫さんたち【画像まとめ】
http://matome.naver.jp/odai/2134443077467316201
猫型「キッチンスポンジ」amazon.co.jp
猫の形をしたキッチン用スポンジです。耳やしっぽの先まで細かく再現され、また白猫にはリボンの首輪も。食器用とフライパン用など、黒猫と白猫で使い分けるのもよし。飾っておくだけで、キッチンが華やかになります。