column












「猫は死を理解している?」
「首輪の鈴は猫にとって不快な音なの?」
「袋や箱に入りたがるのはなぜ?」
猫と暮らしていると、さまざまな疑問がでてきます。そこで、twitterやFacebookに寄せられた猫にまつわるたくさんのなぞを、猫の行動学を研究している、麻布大学 獣医学研究科 動物応用科介在動物学研究室・大谷伸代先生、獣医学科 微生物第一研究室・宮地一樹先生におうかがいしました。
「猫は夢を見るの?」といった質問が寄せられた、前編はこちら。
―猫は外で自由に生きるのと、人間に飼われるのはどちらが幸せなのでしょうか?
何を「幸せ」とするかは意見が分かれるところだと思いますが、寿命の面からみると、圧倒的に人に飼われている猫の方が長生きですね。動物にとって最大のストレスはエサをどう獲るか、ですから、エサの心配がまるでないという意味でも飼い猫の方が楽。ただし逆に言うとそれはストレスがなくてつまらないということにもつながるかもしれないのですが……。だから室内飼いだとしても、刺激を与えるよう考えてあげることいいでしょうね。爪研ぎ、おもちゃ、上下運動ができるような仕掛けなどを整えてあげることで猫にとってはすごくいい環境になってきます。
実はエサも、いっぺんにどさっと出されるよりは、家の中の色々なところに隠してあって探しながら少しずつ食べたり、穴の中に隠してあって手で掘り出しながら食べたりするようなスタイルが、猫の元々の習性に近かったりもするんですよ。でもよく考えたらそれは人間も一緒。決まった時間に食べ物が出てくるけど、何もすることのできない人生なんてすぐに飽きてしまいそうじゃないですか?
―おもちゃで遊んであげようとすると、いつもまずは爪を研ぎ始めます。あれは何のためなのでしょうか。我が家では「溢れる戦意を調節している」と勝手に話していますが。
確かにやる猫はいますが、理由はよく分かりません。おそらくはカーミングでしょうね。“溢れる戦意を調節している”というのは正しそうです(笑)
―我が家の猫は髪の毛(束)をみると瞳孔が開き飛びかかって来たり、爪を立てたり、噛んだりします。毛繕いとは違うかんじです。なぜでしょう? 遊んでるだけでしょうか?
瞳孔が開いたりしているのならば過剰なグルーミングで、これも問題行動のひとつです。エスカレートすると頭を噛まれたりしかねないので、これも獣医になるべく早く相談してみてください。
―妹の体操着(着ていたもの)の匂いを嗅いでは、その上でゴロゴロしたり、服を噛んだり両手で挟んで猫キックをして興奮しています。フェロモンの影響ですか? 猫は女の子です。
性的なことではなく、妹さんのことが元々好きで、自分に妹さんの匂いをつけたり、逆に自分の匂いをつけたりといった情報交換、マーキングを行っているのだと思います。これは自分の家という慣れた環境で好きな匂いがするからこういう行動になっているケース。動物病院など知らない場所へ行くときに、家でいつも使っているタオルを持っていくと慣れた匂いがあって安心するという風に応用ができるでしょう。
―生後4ヶ月ぐらいなのですが、最近私の指を吸います。吸いたくて指を探すほどです。このまま吸わせててもいいのでしょうか。
可愛いのでそのままにさせてしまう飼い主さんが多いのでしょうが、生後4ヶ月というと完全に離乳もしていますので、これは絶対にやめさせた方がいいです。噛み癖になってしまったり、歯が生えて力が強くなって人にケガをさせたり、あるいは吸ってはいけないものまで吸ってしまったりしかねません。本来は、生後1~2ヶ月で離乳が進んで吸う行為は減り、母親も歯が生えて痛いので吸うことを拒否して吸わなくなるのが自然な流れなんです。離乳が上手くいかなかったのでしょうが、猫のためにも、飼い主さんが意識して突き放すようにして、やったらダメだということを分からせてあげてください。
―9歳になるうちの猫は赤ちゃんの頃からお気に入りのタオルケットを前足で揉みながら吸うのが好きです。小さい時にお母さんと離れた子にある、お母さんのおっぱいを吸う行為だと思いますが、大人になっても続けさせていても問題はないでしょうか? また最中に触ってあげたり近くで見ていると、さらに興奮して吸っているのですがそういうものなのでしょうか?
揉むだけだったら全く心配ないので心ゆくまでやらせてあげてください(笑)。過剰にならない限りは問題ありませんが、タオルケットを食べたり吸ったりしていたら要注意です。
―多頭飼いの猫は、仲間の猫が死んでしまったりしたとき、そのことを理解して、悲しんだり落ち込んだりしてしまうんでしょうか? 特に仲がよい場合など、心配です。
元気がなくなることはありますし、食欲がなくなることもあるのですが、それが悲しいからなのか、というのは分かりません。今までいたものがいなくなったり、飼い主さんの様子が違ったりといった環境の変化は、とても些細なことであっても確実に敏感にとらえますから、それが行動に結びつくというのはあるでしょうね。
―室内飼いの猫です。窓の外をじっと見ていますが、何を考えているのでしょうか。
これも外の音を聞いているのだと思います。もちろん、その様子を見て猫の感情を想像するのは自由です(笑)。
―あまり人間になつかない猫は、猫の友達がいないと鬱になることはありますか?
あまり人間になつかないということは、社会性の低い猫なので、他の猫がいたら逆にストレスになるでしょうね。だからいなくても心配することはありませんが、他の猫がきたら意外と上手くいくというケースもありますから、いちがいには言えませんけどね。一匹だけで飼っている猫が家に帰ったらあちこちに粗相をしていたり、物を壊したりしているとすれば、それは一匹なのがストレスになっているのでしょうが、ただ寝ているだけだったら心配はありません。「友達がいないと寂しいかな」というのは人間側の勝手な理解。ともすれば「かまわなくていいからエサだけちょうだい」という猫もいますから、その辺りは見きわめてください。
―首輪の鈴は猫にとって不快、と聞いたことがありますが本当ですか? たまに脱走するので分かるようになるべくつけてたいのですが……。
最初は嫌がるかもしれませんが、よほど大きな鈴でなければ慣れるので全く問題ないでしょう。それよりテレビの音や電話の音など人間の生活音のほうが音としてはずっと大きいのでストレスになることがあります。また、鈴はともかく、飼い猫であるならば首輪自体はつけておいた方がいいでしょうね。
―ドッグフードをあげても大丈夫ですか?
ダメです。キャットフードにはタウリンが含まれていますが、これは猫が食物からしか摂取することのできない必須栄養素。犬は自分で合成できるので入っていないのですが、猫はこれができない。欠乏すると様々な病気につながりますので猫には猫のエサをあげてください。逆にキャットフードを犬に食べさせることはできなくないのですが、キャットフードはカロリーが高く肥満につながります。やはり犬も犬のエサがいいんです(笑)。
手づくり食が流行っているようですが、タウリンを必ず入れなくてはならないこともあって猫のエサを作るのは相当難しく、栄養士さんでも困難なほど。可愛いあまりごはんも作っているつもりで、猫の健康を損なうこともありえます。最近ではペットフード安全法も施行され、エサの情報がきちんと開示されるようにもなってきていますから、安全なフードを選ぶことが賢明だと思いますね。それから、猫は偏食も強いので、小さいときに色々なフードをあげておいた方がいいというのはあります。それの弊害が年をとったときに出てきかねないですから。
―ハムスターや犬など、「仲が悪い」とされている動物と一緒に飼うことはできますか?
上手に会わせてあげられれば、どんな動物とでも一緒で大丈夫ですよ。犬と遊ぶ猫もいますしね。
―地震など災害への備えはありますか?
首輪をつけてマイクロチップは入れておいた方がいいですよ。見た目と情報で飼い猫であることが分かるようにしておくことで、もしはぐれても帰ってくる確率はぐっと高くなります。避難生活では、エサもトイレもままならないことが多いので、いろいろな物を試しておくのはひとつの方策かもしれません。

4.猫社会のなぞ
―猫は一匹でいるのと、何匹かで一緒にいるのとではどっちが好きなんですか? 元々は単独で行動してきた動物。でも個体差や小さい頃からの環境など、色々なファクターが関わってくるのでいちがいには言えません。 ―猫集会なるものは実在するんでしょうか。猫に社会性はありますか? 猫集会は社会的接触のひとつとして考えられていますが、何をやっているのかはまだ分かっていません。エサが豊富にあると猫同士の距離がぐっと近くなったりと、関わり方も変わってくるようです。

5.猫の習慣のなぞ
―袋や箱に入りたがるのはなぜですか? 小さな箱や袋に入っていくのは、木のくぼみや地面の小さな穴など、身を守れる場所に住んでいた昔の習慣の名残りだと思います。ビール箱に突進していく猫の「まる」が人気になりましたが、あれはエサを獲っていた狩猟本能の名残ですね。 ―うちの猫は布を食べます。お母さんの服とか毛のもの(毛布とか毛皮)をちゅうちゅう吸ったり舐めたりする子もいます。原因があるのでしょうか? これは“ウールサッキング”という問題行動のひとつです。布を食べてしまって、腸閉塞を起こしてしまうのが心配です。行動治療を行ってくれる獣医に相談して、薬を処方してもらった方がよさそうです。




6.猫の感情のなぞ
―ネコが本気で怒るとき、悲しむ時はどんな行動をしますか? うちで飼っていた猫は怒った時は技の切れ味が全然違いました。あと悲しい時は隠れていたような気がします。 猫にも感情はあって、怒っているときのボディランゲージなどはその例。でも“悲しいとき”と言っているときに猫が本当に悲しいのかどうかは分からなくて、人間が自分の喜怒哀楽を猫に投映しているケースが多いように感じます。


7.猫の飼い方のなぞ
―猫は自分の生の期限を感じると姿を消すと一般的に言われていますがなぜなのでしょうか? 以前一緒に暮らしていたうちの猫がそうでした。まだ12歳くらいだったので死期を悟ったとは思えません。もちろん時間をかけて探しましたが見つかりませんでした。 死ぬときに姿を消すのではなく、体調が悪いときに、体調を回復するために静かな隠れた場所に行くのです。野性の時からの名残ですね。体調が悪いときに敵が大勢いる場所では休めませんから。「猫は自分の生の期限を感じると姿を消す」というのは、やはり具合が悪くて隠れにいってそのまま命が尽きてしまったのが、こういう風に信じられているのだと思います。






















1.猫という動物
―猫がほかのペットと違うところはどこですか? ペットは今多様化しているので、猫だけがこうだ、と言い切るのは難しいと思うのですが、長くペットとして人間のそばに生きてきた犬と猫とで比較するとすれば、人間による選抜がどれだけ加わっているかが大きな違いです。犬は繁殖を人間が管理し、チワワからドーベルマンまで、人の役に立つためにさまざまにかたちを変えてきました。猫にはそういうことはなく、サイズやかたちは、種によって大差ありません。 それから、基本的には犬は群れの動物、猫は単独行動の動物という点も違いますね。猫は犬ほど人との結びつきは強くありません。とはいえ個体差はあって、猫によってはすごく甘えん坊なコもいますから、いちがいには言えないのですが。

2.猫のコミュニケーションのなぞ
―猫って飼い主の言葉は理解してるんですか? 人が人の言葉を理解するようには理解できないと思います。悪いことをしたときに「こら!」と言うと「にゃあ」と鳴くようなことは、言葉ではなくて感情の気配を感じているのでしょうし、エサをあげるときに「ごはんだよ」と呼びかけると寄ってくるとか、おやつが欲しいときに足もとに言ってにゃあと鳴くとか言ったことは、言葉というよりは“音”とそれがもたらす結果を学習している。ある音が出たときに、こうすればいいということを覚えているんですね。ごはんが食べたいときに足もとでにゃぁにゃぁ言うといいとか、撫でてほしいときは見上げて甘えればいいとか、猫の方で分かっているんですよ。そういう意味では人間の方が操られている(笑)。夢のない話に聞こえるかもしれないけれど、飼い主さんと猫の関係でコミュニケーションが成立していれば、それはとてもいいことだと思います。 ー猫は人間1人1人を見分けることができるのでしょうか? 間違いなくできます。見た目よりは匂いや音によるものが大きいでしょうね。嗅覚は犬に負けず劣らずいいですし、聴覚は図抜けていいんです。人間と共に生きる動物ですから、ごはんをくれる人とそうでない人、またかわいがってくれる人とそうでない人は見分けなくてはいけないんです。




3.猫のからだのなぞ
―猫は暑さに強そうですが、どうやって体温調節しているんでしょうか。 品種にもよりますが基本的には猫は暑さには強くありません。足の裏にしか汗腺がないので、体温調整が難しいのです。逆に寒さには比較的強いんですよ。「猫はこたつで丸くなる」と歌にありますが、実はそんなことはない。雪国の猫は雪の中でも平気で遊びに行きますよ。とはいえ汗腺がまるでない犬よりは足の裏から汗をかく分、まし。猫は全身を舐めてその気化熱で身体を冷やしたりもしています。犬は口を開けてはあはあと熱を出す“パンティング”を行いますが、猫もあまりにひどい暑さだとパンティングをします。それから、暑いときに涼しい場所を、寒いときに暖かい場所を探すのが上手。猫のいるところへ行くと心地いいというのは確かですね(笑)









































子どもの落書きから生まれた「クロネコマーク」
1957年に誕生した、子猫をくわえた母猫のクロネコのマークは、業務提携した米国の運送会社「アライド・ヴァン・ラインズ社」のマークが由来です。「アライド・ヴァン・ラインズ社」にはリスやカンガルーなどのキャラクターもあったのですが、当時の社長である小倉康臣はその中でも猫を選んで、オリジナルのデザインを制作しました。お母さん猫が、子猫が一番怪我をしないところを優しくくわえて運ぶ。その姿に共感を受けたといいます。 当時、広報部にいた清水がデザインをいくつか制作したのですが、なかなかいいデザインが浮かびませんでした。そんな時、お子様がデザイン案をみて、猫を黒く塗ったそうです。それをヒントに、クロネコのマークが誕生しました。 また、元のマークについていた「careful handling」というキャッチコピーをアレンジして、「まかせて安心」というコピーを掲げることになりました。弊社が商標登録している「宅急便」という名称は、ジブリのアニメ「魔女の宅急便」でも使われています。キャラクターとしても人気の黒猫のジジは、角野栄子さんの原作にも登場してます。偶然とはいえ、黒猫が宅急便というイメージを角野さんもお持ちになっていたのかもしれません。
ヤマト運輸の社内用語は“ネコ”だらけ!?
セールスドライバー(SD)が持っている端末機は、集荷依頼がきた際「ニャー!」と鳴くんです。「目覚まし/メロディ/ニャー!/無音」の4つからSD自身が選んで設定しています。また使用している軍手にも、ゴム部分が肉球がになっているものもあるんですよ。 さらに、弊社で使用しているシステムの名称もキャットやネコなどといった名称が付いています。ヤマト運輸のすべての情報システムは「NEKOシステム(ニューエコノミカルカインドリーオンシステムの略)」といいます。日々改良を重ね、現在は「第7次NEKOシステム」を使用しています。営業所にある個人向けのお客様のクロネコメンバーズ用のタッチパネル端末は「ネコピット」といいます。普段何気なく使っている用語なので、気がついたら猫だらけですね。
【ミニカーを読者プレゼント!】



ランコントレ・ミグノン主催「犬猫譲渡会」潜入レポート
2012年8月25日、動物愛護センターや福島の被災地から保護された犬や猫が、新たな飼い主との出会いをもとめて、ランコントレ・ミグノンが主催する中野のシェルターに集いました。小林マナさんらが内装を手がける、新しく出来たシェルターの壁には、ミグノンで預かりボランティアをしている、ゆーないとさんが描いたユニークな動物たちの絵も。さらに、ミュージシャンの坂本美雨さんもボランティアに参加。新しい家族を迎えたいという、たくさんの人であふれていました。犬や猫の譲渡会とは、どういった場所なのか。ミグノンを主催する友森玲子さんに伺いました。





























ilove.catの写真担当、鈴木心がお送りする猫にまつわるコラム、題して「鈴木心のねこらむ」。
第五回 ついに猫界にもおしよせる3Dの波(って、ちょっと古い?)の巻
前回登場の英国式猫トランプに対して迎え撃つのは米国はKIKKER LAND社製の「3D cat card 」。しかも3Dメガネは必要なし。想像するだけでワクワクしてきますね。みなさま、心してご覧くださいませ。
カード裏側はシンプルなトランプ柄。プラスチック製なので、カード切り担当になって、あの手この手で自分の技を披露した方にはもって恋ならぬ、もってこい、との事です。(誰が?)
早速大富豪フリークの鈴木心による、大富豪重要カードから絵柄の紹介をさせていただいます。まずはエース。正直、猫の種類に弱い私では名前を判別する事ができないので、客観的な観察に基づきお話させていただきますと、なんだかみんなそっぽを向いているんでしょうか。撮影の際に餌でつったのでしょうか。エースにかかわらず、みんなソワソワしています。
キング。黒い。そう、米国の想像する王様とは黒い存在。独立戦争の影響でしょうか。
クイーン。おすわりに居眠りと集中力に欠けますが、米国人特有のパワーで制す、という事でしょうか。早速、小道具で読書にハートダイヤ……って、かなり直接的な表現でけしかけます!
ジャック!気品どころか、ハートのジャックは脱走しようとしています。これはかなり緊張感のない戦いになりそうです。大富豪中の士気の低下にご注意ください!
そして毎度おなじみのジョーカーは……
なんと、犬!
そうです、これが、あのアメリカンジョークというやつです。この犬、見てください。
「そんな事いわれても……」と、ちょっと困ったご様子。
しかし、忘れていませんか。
そう、3Dの事を。そこで、ちょっとカードを傾けてみると
なんと!!!!!絵柄が変わったではありませんか!
変わったのは絵柄だけですよ!やっぱり、彼ら……困っていますね。
これじゃあブラックジャックも、決まらない。
カードは全種類3D対応ですので、こちらも。
おーい!!!!!寝るな~、っと言う事で、今日はこのくらいでご勘弁くださいませ。
え!? どこが3Dだったかって?? それはKIKKER LANDさんにお問い合わせください。
まずは楽しいトランプをっ!とilove.catからはご提案させて頂きます。
3D cat card 1,260円 kikkerland.co.jp








